【企業研修用コラム】国際ビジネスで起きる誤解は、なぜなくならないのか

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【企業研修用コラム】国際ビジネスで起きる誤解は、なぜなくならないのか

―― 西洋と東洋の思考様式をつなぐ実践的視点 ――

海外拠点との会議や外資系企業との協業において、
「こちらの意図が正しく伝わっていない」
「相手が強引で、配慮が足りないと感じる」
といった経験をしたことはないでしょうか。

多くの場合、その原因は英語力や専門知識ではありません。
問題の本質は、仕事の前提となる“考え方の違い”にあります。

   

1.思考の前提が違えば、話の進め方も変わる

西洋のビジネス文化では、物事を要素ごとに分解して考える傾向があります。
会議や報告では、まず結論や要点を明確に示し、その後に理由を説明します。
このスタイルは、意思決定のスピードと責任の所在を明確にする上で非常に有効です。

一方、日本を含む東洋のビジネス文化では、
物事を全体の関係性の中で捉えることが重視されます。
背景や経緯を共有し、関係者全体の理解と納得を得ながら結論に至るため、
説明の順序は自然と「背景 → 論点 → 結論」になります。

この違いを知らないまま同じ会議に臨めば、
「結論が見えない」「話が唐突だ」
といった評価のズレが生じます。

   

2.個人主義と集団主義が行動を左右する

西洋の職場では、個人主義が基本です。
社員は自ら意思決定を行い、個人として成果と責任を負います。
そのため、上司に対しても意見を述べることは当然であり、
率直なフィードバックは組織の健全性を保つものと考えられています。

一方、日本の職場では、集団主義が色濃く残っています。
調和や秩序、チームワークが重視され、
個人の意見よりも組織全体の方向性が優先されます。
直接的な否定を避ける姿勢は、協調性の表れでもあります。

この価値観の違いが、
「積極的だが配慮に欠ける」
「慎重だが決断が遅い」
という相互評価につながります。

   

3.沈黙の意味は文化によって異なる

国際会議で特に注意すべきなのが「沈黙」です。

西洋文化では、沈黙はしばしば
「準備不足」「関心がない」
と解釈されます。

一方、日本では、沈黙は
「慎重に考えている」「場を尊重している」
という前向きな意味を持つことがあります。

このズレを放置すると、評価の低下につながります。
沈黙を避けるのではなく、一言添えることが重要です。

“Let me think about that for a moment.”
“I need some time to consider the impact on the team.”

これだけで、相手の受け取り方は大きく変わります。

   

4.国際ビジネスで求められる姿勢とは

重要なのは、どちらの文化が正しいかを決めることではありません。
国際ビジネスで求められるのは、相手の前提を理解し、自分の伝え方を調整する力です。

  • 日本側:結論を先に示し、意見を言語化する
  • 西洋側:文脈と合意形成を尊重する

この双方の歩み寄りがあって初めて、建設的な協働が可能になります。

   

結論:グローバル人材に必要なのは「翻訳力」

グローバル人材に必要なのは、完璧な英語ではありません。
異なる思考様式を理解し、橋渡しする力です。

要点を見る力と、全体を見る力。
その両方を使い分けられる人材こそが、
国際ビジネスの現場で信頼される存在になるのです。

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