皆さん、こんにちは。本日は、英語4技能(L/R/S/W)の中でReadingの基礎力を高めるためのトレーニング方法とお勧めの教材を紹介します。是非、実践しましょう。
1. 第一段階 精読トレーニングとお勧めの教材
英文を正確に理解する力をつけるために、以下の2点を習得する必要があります。
<1>正確な文法知識に基づく、英文の構造把握
1文の意味を正確につかむためには、5文型の把握が必要です。さらに、英文を「意味のカタマリ」で理解できることが速読のための絶対条件になります。意味のカタマリは、「名詞のカタマリ」「形容詞のカタマリ」「副詞のカタマリ」の3種類になります。
<2>文と文との論理関係の把握
筆者の主張を理解するためには、抽象・具体、因果関係、二項対立などの論理関係の理解が必要です。
精読力を高めるために、和訳を部分的に導入する必要があります。英文を読んでいるときに「書かれている内容を日本語で説明できないが、何となく内容がわかる」というのは「ほぼ何もわかっていない」のと同義であり、実力向上のためにはその状態からの脱皮が必要になります。
文法の教材、英文解釈の教材としては、大学受験用の参考書が優れていますが、本学院では、英検準1級、1級の過去問や英文雑誌などを用いて精読トレーニングを行っています。文法の参考書としては、以下の2冊をお勧めします。
・関 正生『真・英文法大全』KADOKAWA、2022
高校生が一人で読み進めることができ、「なぜそうなるのか」まで確実に理解できるように書かれています。また、必要な文法事項が網羅されているため、文法の教材はこの1冊で十分といえます。
※本学院では、自習用教材として推奨しています。
・大西泰斗、Paul Chris Mcvay『一億人の英文法』東進ブックス、2011
従来の英文法教材とは異なる切り口で説明されており、使用されている例文も会話で使える実用的なものになっています。
※本学院では、自習用教材として推奨しています。
2. 第二段階 多読学習とお勧めの教材
英文を読む速度は、それまでに(正しい読み方で)読んできた英文の量に比例するといわれます。そのためにも、多読が必要になります。英検1級レベルの英語力があれば、 “The Economist” や “TIME” などの英文雑誌を大量に読んでいくのがよいでしょう。そのレベルに至る前段階としては、日本語訳付きの教材で「自分の理解が正しいかのチェック」が必要になります。例えば、以下の教材がお勧めできます。
・中澤幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC[初級]』Z会、2010
・中澤幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC[中級] 01 人文・社会科学編』Z会、2009
・中澤幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC[中級] 02 自然科学編』Z会、2009
・中澤幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC[上級] 01 人文・社会科学編』Z会、2009
・中澤幸夫『テーマ別英単語 ACADEMIC[上級] 02 自然科学編』Z会、2009
なお、「正しい読みができているか」につきましては、スクールを利用するのが効率的でしょう。
3. 疲労回復を行いながら英語に触れる方法
トレーニングを長時間行っていると、脳疲労が起きることがあります。それは、長時間スポーツのトレーニングをしている時に身体が疲労するのと同じです。マラソン練習の場合、ジョグ(=ゆっくり走ること)を必ず取り入れます。負荷のかかる練習(=スピード練習)ばかりでは疲労が蓄積されすぎる為、身体を休めながらも距離を踏むために長時間ゆっくり走ることを行います。
同じことが英語学習にも当てはまります。一度触れた英語にもう一度触れるときは、初見の題材にトライする場合と比べて脳に対する負荷が少ない、と言えます。従って、脳疲労を起こさずに英語に触れることができます。それと同時に、反復学習による定着も期待できます。
その観点からも、同じ題材に何度も触れるというのも有効です。